スタッフが自発的に動く!リーダーの目的共有プレゼン術

2025/9/30更新
スタッフが自発的に動く!リーダーの目的共有プレゼン術
  • 数字目標だけではスタッフは自発的に動かない
  • 目標の「目的共有」がスタッフを動かす
  • リーダーのプレゼン(セットアップ)能力は不可欠

経営において、売上や利益といった数値目標(KGI:重要目標達成指標)を設定することは、事業の成長にとって重要です。

しかし、その目標を単なる数字としてスタッフに伝達するだけでは、自発的な行動を促すことは難しい場合があります。

例えば、「今月の目標は600万円です」とストレートに伝えるだけでは、スタッフの心に響かず、「やらされ感」を生じさせる原因となることがあります。

数字の伝達だけでは不十分とされるのは、目標の背景にある「目的」が共有されていないためです。スタッフの協力を引き出すためには、リーダーが目標設定の意図や目的をていねいに説明する「プレゼンテーション力」が求められます。

数字の羅列だけでは伝わらない壁

経営では、売上や利益といった最終的な数値目標を設定します。これをKGI(重要目標達成指標)と呼びます。

このKGIを達成するための中間目標としてKPI(重要業績評価指標)があり、さらにKPIを達成するための具体的な行動計画としてKDI(重要行動指標)が設定されます。

KGI・KPI・KDIは階層構造になっており、目標達成までの過程を明確にするための有効な手段です。ただし、これらの指標を効果的に活用するには、トップダウンでの指示だけではなく、各指標の目的をスタッフと共有しなければなりません。

KGI・KPI・KDIの階層構造

スタッフが自発的に動く!リーダーの目的共有プレゼン術

KGI「重要目標達成指標(Key Goal Indicator)」

  • 定義:最終的に達成したい「結果」としての目標(ゴール)
  • 役割:院全体の長期的な成功指標を明確にする
  • 具体例:年間売上の前年比120%を達成

KPI「重要業績評価指標(Key Performance Indicator)」

  • 定義:KGI(最終目標)を達成するための「中間目標」
  • 役割:KGI達成への道筋を示し、その進捗状況を測る
  • 具体例:月間の新規患者数20名/リピート率85%/単価6,000円

KDI「重要行動指標(Key Do Indicator)」

  • 定義:KPI(中間目標)を達成するための「具体的な行動」
  • 役割:実行すべきアクションの達成度を計測する
  • 具体例:口コミへの24時間以内返信/院のブログを月8回更新

KGI・KPI・KDIという階層構造をもつ指標設定は、目標達成への道のりを明確にし、チーム全体の行動を共通のゴールへ向けて効率的に推進するために有効な手段です。

ただし、この手段を効果的に活用するには、単に目標数値を伝達するだけでは不十分です。例えば、「今月の売上目標は600万円」といった一方的な指示は、スタッフの「やらされ感」につながり、パフォーマンスの低下を招くことがあります。

「何のために?」を明確にする目的共有の力

スタッフが自発的に動く!リーダーの目的共有プレゼン術

では、どうすればスタッフに「やらされ感」を感じさせず、自発的な行動を促すことができるのでしょうか?そのためには、目標となる数値を設定した「目的」を共有してください。

ここで言う「目的」とは、単に会社の売上や利益の達成を指すものではありません。目標達成に向けた行動が、患者様、従業員、会社、社会のそれぞれに対して、どのような利益をもたらすかを具体的に示すことが重要です。

患者様の喜びと満足への貢献

目標設定の「目的」を共有する際には、日々の業務がどのように患者様の利益につながるかを明確にしてください。行動の起点を「患者様への貢献」とすることで、スタッフの理解や共感を促すことにもつながります。

例えば、利益を最新機器の導入や福利厚生の改善に投資することは、施術の質の向上などを通じて、最終的に「患者様への貢献につながる」といった説明が考えられます。

従業員の成長と幸福の実現

目標設定の目的として、スタッフ個人の利益につながる要素を提示することも有効です。
例えば、目標達成が昇給や賞与につながり、年収アップを通じて個人のライフプラン(健康、時間、お金、やりがい、人間関係など)の実現を応援できること。

さらには、会社の成長が分院展開へとつながり、新たな役職やキャリアアップの機会が生まれることなどが挙げられます。

会社の持続的な発展と未来創造

売上や利益は、会社が永続的に発展するための「未来創造費用」です。この利益があるからこそ、人材採用や教育への投資が可能となり、強固な組織を築き、次のステップへと進むことができます。

例えば、「この売上を達成することで、来年4店舗増やすことができ、新たな雇用も生み出せる」といった具体的な未来像を共有することで、スタッフは自身の努力が会社の発展に不可欠であることを理解します。

社会への貢献と健康寿命の延伸

接骨院・鍼灸院は、地域医療における重要な存在です。柔道整復師は筋骨格のプロとして、国民の健康寿命延伸という国の政策に深く関与しており、日々の業務が社会全体の健康維持に貢献しているという、より大きな目的を共有することも、スタッフの使命感を高めることにつながります。

これらの目的が明確に共有されることで、スタッフは自身の行動が単なる業務ではなく、大きな意味と価値をもつことを理解し、自発的に行動するようになるのです。

セットアップとしてのプレゼンテーション

スタッフが自発的に動く!リーダーの目的共有プレゼン術

スタッフが自発的に動き出す「目的共有」は、単なる口頭での説明で終わるものではありません。それは、リーダーがチーム全体を目標達成へと導くための「セットアップ」という、非常に重要なプレゼンテーションなのです。

このプレゼンテーションを行うためには、リーダー自身が部下の前で話す練習を徹底することが不可欠です。単に資料を読み上げるのではなく、情熱をもって語りかけ、スタッフ一人ひとりの心に火を灯すような話し方が求められます。

これは、問診や施術プランの提案において、スタッフが患者様に響く伝え方を練習するのと同様に、リーダーにとっても繰り返し行うべき「実践練習」なのです。成功している院の院長は、この「プレゼン練習」を日々行っています。

具体的な手法としては、まず「患者様の利益につながる行動」を提示し、その実践が結果として「売上目標の達成」につながる、という順序で説明してください。

このような目的共有の質は、スタッフの行動や組織全体の業績に影響を与えるため、リーダーにとって重要な要素となります。

まとめ

貴院の持続的な成長と業績アップを実現するためには、リーダーのプレゼンテーション力が極めて重要です。単に数字を追うのではなく、「何のために」という真の目的を、患者様の喜び、従業員の成長、会社の発展、社会貢献という多角的な視点から具体的に共有することで、スタッフは自発的に、そして情熱をもって目標に向かって行動するようになります。

この「目的共有」は、リーダー自身の徹底した準備と練習によって磨かれる「セットアップ」というスキルです。ぜひ、今日から貴院でも、この目的共有の力を最大限に活用し、スタッフと共に輝かしい未来を築き上げていかれることを心より応援いたします。

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