さまざまな想いや夢を形にすべく、念願の開業を叶えられた先生。
しかし、売上が上がらず経営状況が厳しい先生もいらっしゃることと思います。
売上を上げるには、まず「今」の自院の状況をしっかりと把握することが大切です。そして、鍼灸・接骨院の経営を安定させるには、データに基づく売上対策が重要となってきます。
本記事では、そんな売上対策に欠かせない売上を上げる3つの要素と重要なポイントについて詳しく解説します。
すでに売上を上げている先生は見ないでください!
少しでも売上を上げたい先生に、ぜひ読んでいただきたい内容となっています。
なぜ売上が上がらないのか?鍼灸・接骨院の業界市場が影響
売上を上げる3つの要素とは?
① 「人数」を集めるには再診が重要!再診を増やすポイント
② 「単価」を上げるメニュー開発で失敗しないポイント
③ 「頻度」は通院回数!継続率を上げるポイント
まとめ
1992 | 1994 | 1996 | 1998 | 2000 | 2002 | 2004 | 2006 | 2008 | 2010 | 2012 | 2014 | 2016 | 2018 | 2020 | |
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接骨院数(所) | 18,552 | 19,800 | 21,412 | 23,114 | 24,500 | 25,975 | 27,771 | 30,787 | 34,839 | 37,997 | 42,431 | 45,572 | 48,024 | 50,077 | 50,364 |
就業柔道整復師数(人) | 24,776 | 26,221 | 28,244 | 29,087 | 30,830 | 32,483 | 35,077 | 38,693 | 43,946 | 50,428 | 58,573 | 63,873 | 68,120 | 73,017 | 75,786 |
療養費(億円) | - | - | - | - | - | - | 3,370 | 3,630 | 3,933 | 4,068 | 3,985 | 3,862 | 3,663 | 3,310 | - |
1院当たり療養費(千円) | - | - | - | - | - | - | 12,135 | 11,791 | 11,289 | 10,706 | 9,392 | 8,475 | 7,627 | 6,610 | - |
そもそも、なぜ売上が上がらないのか?すでにご存じの先生も多いことと思いますが、これには鍼灸・接骨院の経営や運営の問題以前に、業界全体に大きな要因があります。
過去には柔道整復師になれる人数には限りがありましたが、1998年以降、柔道整復師の養成学校が増えたことで、学校から多くの柔道整復師が輩出されるようになりました。
学校が増えれば卒業生が増え、卒業生が増えれば開業される先生も増えることから、鍼灸・接骨院数も年々増加し続けています。
鍼灸・接骨院数が増えれば、それだけ競合が増えることになりますので、商圏内での競争は激しくなっていきます。
以前は、保険請求が中心だった鍼灸・接骨院業界ですが、制度の改定などの影響により、保険請求の売上は年々減少しています。
これからは時代の変化に合わせて、自費施術や物販、介護事業、ジムなど、新たな収益源の確保と多様化を進めていかなければ、鍼灸・接骨院経営を維持していくことは難しくなることが予想されます。
鍼灸・接骨院業界が先行き不安だからといって、あきらめる必要はありません。そんな厳しい状況でも、売上を上げる方法があります。
先生は、「売上の方程式」というものがあるのをご存じでしょうか?
店舗型ビジネスでは、「人数」「単価」「頻度」の3つの要素を掛け算することで、売上を大きく伸ばすことができます。
売上を上げるには、人数なのか、単価なのか、頻度なのか、どれを改善するか考える必要があります。
これらを改善するための最初のステップは「自院を知ること」です。
例えば、人数は「新患、再診、継続」、単価は「自費・物販・保険請求」、頻度は「通院回数」などの数値から、自院の状況をより深く把握することができます。
自院の状況を把握できていない先生は、この機会に顧客管理やデータ分析ができる多機能レセコンへの切り替えをおすすめします
そして、客観的な視点で自院の状況を把握するには、接骨院の業界平均値データ※のチェックも欠かせません。以下LINEアカウントで業界平均値データを毎月公開していますので、ぜひ自院のデータと比較してみてください。
そうすることで、自院の強みや弱みなどがより明確になります。
※全国の接骨院平均データは当社のサービス「レセONEプラス」「Ligoo POS&CRM」導入院の平均値となります。
次は、「人数」「単価」「頻度」それぞれの視点から、売上を上げる重要なポイントを解説していきます。
鍼灸・接骨院に来院される患者様は「新患・再診・継続」の3つに分類されます。「人数」を増やすことができれば、それだけで売上は上がります。
では、人数を増やすために、まずどこに注力するべきか?そこでおすすめしたいのが「再診」です。再診とは、最終来院日から1ヶ月以上空いてから再来院された患者様のことを指します。
多くの接骨院では、新患を集めるためにチラシ配布や広告配信などをされていますが、新患の集客には思った以上に経費が掛かります。そして、日本の人口は年々減少しているため、商圏内で集客できる人数にも限りがあります。
新患獲得に向けた集客はもちろん大切なことですが、いくら新患を獲得しても患者様が離れてしまうようでは、いつまでも売上は安定しません。そのため、新患以上に再診を増やす対策が重要となります。
再診を増やすということは、再び自院に来院してくれる「リピーター」を増やすということです。リピーターを増やすためには、卒業をさせてあげることが重要です。
卒業とは、通院の必要性がなくなったことを、先生と患者様との間で互いに認識したうえで、通院を終了することを指します。
お悩みを解決してもらえたという実感を得ることで、患者様の満足度や信頼度が高まり、再び自院を選んでもらえるようになります。
何をもって卒業したといえるのか、患者様ごとにゴール設定を明確に決めておくようにしましょう。
離反者とは、先月来院があり当月は来院しない患者様のことです。離反者の中には、卒業した患者様も含まれます。
卒業予定の患者様には、次回来院日を調整をしたり再発時の来院目安などをお伝えすると、次回も自院を選んでもらえる可能性が高くなります。
卒業以外で離反している患者様には、離れている原因を探り、問題解決を図るのはもちろんですが、電話やSNS、はがきなどでアプローチすることで、関係性が途切れないようにすることがポイントです。
患者様の心は常に変化していきますので、再診を集めるためには離反者対策が不可欠です。
「単価」を上げることができれば、人数を増やすことができなくても、売上を伸ばすことができます。しかし、制度の改定などの影響から、保険療養費で大きく単価を上げることは難しい現状です。そこで、多くの鍼灸・接骨院が導入しているのが「自費施術」です。
金融財政事情研究会の出しているデータによると、新たな収益源として自費施術や物販などを導入する鍼灸・接骨院は年々増えてきています。今後も、保険請求の売上は減少していくことが予想されるため、単価を上げる施策のひとつとして自費施術のメニュー開発について検討されることをおすすめしています。
自費施術であれば、リハビリや再発防止のトレーニング、さらには生活機能を上げるためのメニューなど、患者様のニーズに合わせて幅広いメニューを提供できるようになります。
自費施術を導入しても、そもそも患者様のニーズに合ったメニューが提供できていなければ、誰も施術を受けてはくれません。
そのため、性別、年齢、部位、症状などから来院されている患者様の傾向を分析することが大切です。そこから、患者様がどのようなお悩みを持っているのか、どのようなメニューなら施術を受けてくれるか、患者様のニーズを満たすメニュー開発のヒントが見えてきます。
いくら患者様のニーズに応えることができていても、施術における時間と割ける人員は限られています。そのため、再現性や生産性の高いメニュー開発を意識することも重要です。
鍼灸・接骨院では、ベテランや新人では経験や技術に大きな差があります。そのため、新人でも売上を上げられるメニューを開発することで、院全体の生産性を大きく上げることができます。
ひとりで経営されている鍼灸・接骨院では、すべてひとりで回していかなければならないため、患者様の待ち時間を有効活用できるメニューを開発することにより、売上を何倍にも上げることができます。
鍼灸・接骨院では、ほとんどの患者様は痛みがある状態で来院されますが、痛みをとる以外にも患者様の状態や症状に合わせたメニューの提供ができれば、より長く患者様と継続的な関係を築くことができます。
①患治(痛みをとる)
②根治(痛みの原因にアプローチする)
③予防(痛みが起きにくくする)
このように、長期的にケアできるメニューを開発することにより、患者様のあらゆるお悩みを解決できる鍼灸・接骨院として、患者様に長く利用してもらえるようになります。
あらかじめ、すべてのプランをお伝えした上で、患者様に受けたい施術を選んでもらうのもおすすめです。どこまで対応してくれる鍼灸・接骨院なのかを患者様にアピールすることができます。
人数や単価をあげることが難しい場合は、頻度を上げることで売上を伸ばすことができます。頻度とは、通院回数のことを指します。
鍼灸・接骨院では、少なくとも数回は通院をしていただく必要があります。卒業させるためには、患者様に来院してもらわないことには施術ができません。
患者様に通院していただくためには、卒業をさせるうえで技術力の向上はもちろんですが、患者様の気持ちが離れないように、通院を通して患者様との信頼関係を築いていく必要があります。
まず、なぜ通院しなければならないのか、患者様にその必要性を感じてもらう必要があります。そのためには「問診力の向上」が不可欠です。
問診で、患者様の来院目的や施術方針についてお互いの認識を合わせることで、患者様の離反を防ぐことができます。
①来院目的の共有
②ゴール設定
③今日の着地点(手段と目的)
④主訴の確定(自覚)
⑤症状の把握(他覚)
⑥原因追究
⑦体感させる
患者様は、何かしら目的をもって来院されています。この目的を押さえないことには、患者様の要望を満たすことはできません。ただ痛みを取りたいという目的だけでなく、なぜ痛みを取りたいのかを確認することが大切です。
そして、どこに痛みがあるのか症状を把握したら、どのように改善していくか、何をもって卒業といえるかについて、患者様とすり合わせをするようにしてください。そうすることで、患者様の施術への期待度が上がり、患者様の離反を防ぐことできます。
そのほか、症状が起きている原因を、患者様が自覚していないことも多いため、鍼灸師・柔道整復師としての視点から症状について説明やアドバイスをされると、患者様から信頼してもらえるようになります。
問診や施術などにおいて、患者様と信頼関係を築くうえで必要となってくるのが「伝える力」です。
頭ではわかっていても患者様と話すのが苦手と感じている先生や、説明がうまくできないことに課題を感じている先生は意外に多くいらっしゃいます。
伝える力を高めていくための方法として「ロールプレイング」の実施をおすすめしています。ロールプレイングでは、自身が話していることを客観的に見ることで新たな気づきが得られ、自身の成長につなげることができます。
技術力を高めるために何度も練習をするのと同じで、伝える力も練習を重ねることで上達していきます。患者様との信頼関係を築くことは勿論ですが、伝える力の向上は日常でのコミュニケーションにおいても大いに役立ちますので、ぜひトライしてみてください。
どうしても口で説明するのが苦手な先生は、資料や写真などを使用して伝えるのもおすすめです。口では説明が難しいものでも視覚情報があるだけで患者様にわかりやすく伝えることができます。
これまで、売上を上げる3つの要素と売上を上げる重要なポイントについてご紹介しましたが、いずれの売上対策を行うにしても、現在の自院の状況や患者様のことを把握できていなければ十分な成果を得ることはできません。
そこでおすすめしたいのが、「レセONEプラス」です。
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