2022年12月度、全国の接骨院の「業界平均値データ※1」を公開します。
12月は、レセプト枚数が前月比で8.7枚減少しました。
すべての区分で患者数が減少し、前月比で新患数は3.8人減少、継続患者数も4.2人減少しています。
初診率や継続率も3ヵ月連続で減少がみられるなど、全体的な来院数の減少にとどまらず、患者様の離反が懸念されます。
しかし、窓口単価が驚異の2,465円を記録し、過去最高値※2を更新したことで、全体窓口売上は230万円を超える結果となっています。
※1 本記事で使用している業界平均値データは「レセONEプラス」「Ligoo POS&CRM」導入院のデータから算出したものです
※2 リグアが計測している※1データの2015年9月から2022年11月時点までの窓口単価データから導き出しています
本記事では、これらの業界推移や前月比較データから課題を読み解き、今後に向けた対策について詳しく解説しています。
2022年12月のレセプト枚数は、前月比で8.7枚減少しました。2ヵ月連続で減少が続いており、レセプト請求による保険売上への影響が懸念されます。
患者数はすべての区分で減少しており、なかでも新患数は前月比で3.8人減少し、過去1年間で最も低い数値となっています。
また、前月比で継続患者数が4.2人減少していることや離反率が1.2pt増加していることから、患者様の離反にも注意が必要です。
毎年12月~1月は新患数減少の傾向がみられています。冷え込みが強くなるにつれて外出が減ることや、飲み会などのイベント増加から優先順位が下がりやすいことなど、季節的な要因が大きく影響しているものと考えられます。
そんな、新規患者様の増加が見込めない今の時期は特に、来院されている患者様に目を向けることが大切です。
初診率、継続率すべての数値が3ヵ月連続で減少しました。
初診率は新規患者様、再診患者様いずれも前月比で2.0ptを超える減少幅となっており、継続率も前月比で0.9pt以上の減少がみられるなど、全体の数値が悪化しています。
2015年に業界平均値データを計測して以降、初診率や継続率は緩やかに減少していますが、再診患者様の初診率が60%を下回るのは今回が初めてのことです。
初診は患者様との信頼関係を築く重要なステップですので、患者様が離れていると感じたら、まずは初診の問診やその後のアプローチについて問題がないかを見直しされることをおすすめします。
患者数が減少したにもかかわらず、12月の全体窓口売上は約232万円と前月から約6.6万円増加しました。
窓口単価は前月から160円増加したことで2,465円を記録し、過去1年間で3回にわたり最高記録を塗り替えています。
2022年11月 | 2022年12月 | |
---|---|---|
全体窓口売上 | 2,256,873円 | 2,323,568円 |
新患窓口売上 | 339,308円 | 298,935円 |
再診窓口売上 | 90,575円 | 99,774円 |
継続窓口売上 | 1,826,990円 | 1,924,860円 |
窓口単価 | 2,305円 | 2,465円 |
新患窓口売上は、新患数減少の影響により前月比で約4万円減少しました。30万円を下回るのは約2年ぶりのことです。
一方、再診窓口売上は、前月比で約9千円増加しています。継続窓口売上にいたっては、継続患者数が前月比で4.2人減少しているにもかかわらず約9.7万円増加し、売上増加に大きく貢献しています。
全体的に患者数は減少していますが、一人当たりの窓口単価が2,400円を超えたことで、全体窓口売上は増加に転じています。
12月は前月から引き続き、患者数や初診率、継続率が減少しましたが、窓口単価が驚異の2,400円超えをしたことで売上は増加しています。
しかし、継続患者数の減少や離反率の増加から、患者様の離反が懸念されます。
患者数の増加が見込めない今の時期は特に、来院される患者様に目を向けることが大切です。
来院をしてもらうには、「初診」の段階から患者様との信頼関係を築き、通院の必要性を感じてもらう必要があります。
初診の問診内容などが不十分だと、途中で通院を辞めてしまったり、他院や他サービスへ流れてしまう可能性が高まるためです。
ぜひこの機会に、初診でのアプローチについて問題がないかを振り返ってみてはいかがでしょうか。
自院のデータと業界平均値データを比較して、どこに差があるかを知ることで、自院の強みや弱みなどを客観的に把握することができます。
ぜひ、本記事で紹介している接骨院の業界平均値データをご活用いただき、自院の状況把握や施策の振り返りなどにお役立ていただけましたら幸いです。
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